ICLASモニタリングセンターは、1979年にICLAS (International Council for Laboratory Animal Science: 国際実験動物学会議) により唯一認定された、実験動物の遺伝および微生物学な品質管理のためのセンターです。
実験動物の遺伝・微生物学的な品質向上のため、下記の業務を実施し、モニタリングの普及・啓発に努めています。
1. モニタリングのための受託検査とコンサルテーション
国内外の実験動物施設から依頼を受け、信頼性の高い遺伝・微生物検査を実施しています。また検査結果に関するコンサルテーションを実施しています。
2. 標準試薬の作製と頒布
自家検査のための検査試薬を作製し頒布することにより、モニタリングの普及に努めています。
3. モニタリングのための検査技術の開発改良
ニーズに合った検査技術や検査キットの開発改良を実施しています。
4.教育・研修
技術研修会・講演会開催、大学・製薬会社および国外からの研修生の受入れることにより、モニタリングの啓発活動を行っています。
実験動物の品質モニタリング (以下モニタリング) の目的は、あらかじめ設定された (した) 動物の遺伝学的、微生物学的品質が、繁殖の場では累代、実験の場では動物導入時から実験終了時まで、一定に維持されている (いた) ことの証明です。
モニタリングにより、繁殖の場では、維持・供給する動物の遺伝学的、微生物学的な品質が基準を満たしていることを、そして実験の場では、得られたデータが、遺伝的コンタミネーションや感染症に修飾されていないことを証明できます。
微生物モニタリングの場合は、各々の実験動物施設に存在していたら不都合な微生物をあらかじめ決めておき、それらを定期的に検査することにより、汚染されていないことを確認します。
実験動物学の分野における微生物検査には、モニタリング以外に飼育中あるいは実験中に発見した異常動物を対象に、その状況に応じた検査項目、方法を選択し、原因を明らかにするために実施する診断 (異常原因追及) のための検査や、ある時期、特定の微生物汚染の広がりについて調べる疫学調査などがありますが、品質保証の目的で行われるのは、モニタリングをおいて他にありません。